過去約120日間の、株・仮想通貨・金相場・金利の相関を表した散布図行列です。
データ収集とグラフ生成を自動化できたので、コロナショックが起きた時のデータを使って動画を作ってみました。
このグラフ一枚で、
- ●対角線上には折れ線グラフ
- ●下三角部分には価格の散布図(赤いほど日付が古く、青いほど日付が若い)
- ●上三角部分には価格変動の相関係数の時間変化と、相関係数の平均値
が一望できます。
散布図行列の読み方
対角線部分
対角線上には、資産ごとの折れ線グラフ(横軸が時間で、縦軸が価格(ドル))が並んでいます。
それぞれ、
- 1行目1列目の部分には日経平均株価のグラフ、
- 2行目2列目の部分にはS&P500のグラフが、
- 3行目3列目にはビットコイン、
- 4行目4列目には金(ゴールド)、
- 5行目5列目には米国債10年ものの利回り(=長期金利)
のグラフがあります。
下三角部分
下半分には、5つの資産のうち2つの資産同士の関係を示した散布図があります。
散布図とは縦軸、横軸に2項目の量や大きさ等を対応させ、データを点でプロットしたもの。
この散布図では、点の位置ははある日の資産価格のセットを表しています。
縦軸は資産Aの価格、横軸は資産Bの価格です。また点は日付順に色分けされています。
たとえば、2行目1列目の散布図は、縦軸がS&P500、横軸が日経平均株価の散布図です。
この時、日経平均株価が220ドルでS&P500が3000ドルだった日の点は、横軸220、縦軸3000の位置にプロットされます。
逆に、横軸220、縦軸3000の位置にプロットされた点は、その日の日経平均株価は220ドルで、S&P500は3000ドルだったことを示します。
ところで、単純な散布図からは、時系列の情報は読み取れません。
そこで、点の色を変えることで時系列もわかるようにしてあります。
赤い点ほど日付が古く、青い点ほど日付が若くなっています。
散布図の読み方
散布図を作ると、点の全体の形から、2つの資産価格の間のおおまかな関係をつかむことができます。
例えば散布図の全体の形が右肩上がりなら、全体の傾向としては日経平均が上がるとS&P500も上がりがちであり、同じような動きをしていそう、ということがいえます。
これを正の相関といいます。
逆に全体の形が右肩下がりなら、日経平均とS&P500は逆の動きをするようだということが言えます。
これを負の相関といいます。
散布図をみることで、2つのデータの間のおおまかな相関関係をつかむことができます。
上三角部分
散布図を使うと、おおまかな相関関係がわかるのでした。
しかし、実は時系列データの散布図には、「見かけの相関」が出やすいという欠点があります。
(見かけの相関とは、本当は無相関なのに相関があるように見えることを指します。)
そこで、右上の部分に、過去30日間の「前日からの変化量」の相関係数をとり、さらに時間変化をとった折れ線グラフを並べています。
またそれぞれのグラフの真ん中あたりに表示されている数字は、全期間中の相関係数の平均値をしめしています。
相関係数は100分率で表されており、真ん中の横線が0で上限が100、下限が−100です。
2つの資産の価格変化に強い正の相関があれば、相関係数は100に近い値をとり、逆に強い負の相関があれば−100に近い値を取ります。
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