ここ最近は外科をローテートしていました。
学生の頃からなんとなく外科は苦手だったので、スタートは気の重いものでした…
学生の頃に経験した外科は、何もさせてくれないくせに術野に入らされて、ただ身動きのできない状態でつったってるだけ。
それが外科の実習だったのです。
これ、ほんとにキツくて。
何がキツいかというと、清潔を保たないといけないがために、頭をかくことすらできないんです。
術野に入る際には、手を綺麗に洗い、滅菌された手袋とガウンを着るわけです。
そのため、手は腰より下に下げることも、頭より上にあげることもできません。
それらの部分を触ると、「不潔」になってしまうからです。
痒い鼻をかくこともできず、喉が乾いても水を飲むこともできず。何をするでもなくつったってるだけ。特にやりがいもありません。なんという地獄…
今思えば、それが外科の印象を悪くしていたのでした。
しかし、いざ就職して外科を回ってみると、全く違う世界が見えてきたんです。
手術を進行する、チームの一員として参加できるのです。
うまいこといけば評価されるし、うまくいかないところは指導されます。
そして、簡単な手術なら執刀までさせてくれるんです。
つまり、自分が執刀医の、主役のオペです。
まあ、とはいっても名ばかりのもので、実際にはベテランの先生に助手に入ってもらい、指導を受けながら執刀するのですが。
ただそれでも、形だけでも自分が責任を持って行い、実績を積めるわけです。
これを給料をもらいながらできるというのは、本当に楽しい!
棒立ち無給だった学生の頃には想像もできないものでした。
さらに、手術にはチームプレーとしての楽しさもあります。
例えば、助手は術者の執刀を楽にするように介助するのですが、
いちいち言葉に出されずとも、うまいこと補助することができた時などは結構楽しいです。
まさにチームスポーツと同じ感じです。
バスケやサッカーで、アシストがうまくキマった時のような感じ
自分が執刀する時も、「結構うまいじゃん」とか、「今日のオペはよかったよ」なんて言われるとやっぱり嬉しいです。
(うまくいかなければ罵倒されますが…泣)
また、手術は医者のみに許されている行為であるというのもけっこう魅力的じゃないでしょうか。
外科医の月次な売り文句として「合法的に人を斬れる」というものがあるくらいです。
せっかく医者になるなら手術できるという特権を活かしたいよね、みたいな気分です。
また、手術治療は自分の目前で進行していくので、フィードバックが速く、しかも直接的です。
私は単純なので、間接的な行為よりも、直接的な行為に喜びを見出します。
薬を投与するよりも、自分の手を動かして手術した患者が良くなるほうが達成感を感じることができる…ような気がします。笑
まあ、ここまで熱烈に外科の良さを語りましたが…
優柔不断な私は、この先また他の科を回るたびにその科の良さに気づいていくんだろうな、という気もしています。そういうもんです。
おしまい。
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