Deep Fakeって、ご存知ですか?
こんな感じでニュースでも取り上げられたりしています。
ざっくり言うと、AIを使って顔を入れ替える最先端の技術なのですが、、
実はこれ、グーグルアカウントさえあれば作れてしまうんです。
ということで作ってみました。
それがこちら。
友人や私の顔を使って作ったものもありますが、一応プライバシー保護ということでモナ・リザを採用しました。
これ、どうでしょうか。けっこうすごくないですか?
必要なのはグーグルアカウントと、素材となる動画と画像だけ。
Deep learningという超最先端の情報技術を使うんですが、基本的にコピペだけで作れてしまいます。
たったそれだけで、用意した画像の人に動画に映っている人と同じ動きをさせることができる。
恐ろしい時代になりましたね、、、
製作にあたっては、この動画を参考にしました。
いつかこれらのコードの解説記事を書いてみようかなと思うのですが、
今回は違う話を。
Deep Fake自体は言ってしまえば、ただ顔を入れ替えるだけのフェイクニュースくらいにしか使えないような代物です。
ただ、今回の経験は、個人的にはそれ以上の意味と価値のあるものでした。
自分の身を置く環境に働きかけることで情報格差を乗り越えた、とでもいいますか、、
「知っているか、知らないか」というとてつもない分断
ともあれ、GoogleアカウントさえあればDeep Fakeを作れてしまうことがどれだけすごいのか、ということですよ。
なにがすごいって、ハイスペックマシンが一切いらない、必要なのは素材となる動画と画像だけ、というところ。
これって本当にすごいんですよ。
普通、AIを作る・使うとなると、膨大な計算処理が必要になります。
AIの種類にもよりますが、ノートパソコンを三日三晩動かし続ける、なんてこともザラにあります。
最先端のAIともなると、一般的なノートパソコンなんかではとても計算できないといってもいいでしょう。
莫大な計算量に耐えることの出来る、高性能なマシンが必要になるんです。
実際、私が関わっていた研究では東大のスーパーコンピュータを使っていました。
これがまた、ちょっと動かすにもSSH認証してログインして、、、と非常にめんどくさかったんですね。
そしてもちろん用途は研究用に限られています。
めんどくさいうえに自由が効かない、、
そんなわけで、自分でAIを使って何かコンテンツを作るなんて考えたこともありませんでした。
しかし、世の中どんどん便利になっています。
なんとGoogleが、AIにも使えるレベルの高性能なマシンを無料で貸してくれているんです。
といってもモノが借りられるわけではなく、クラウドコンピューティングという遠隔操作の仕組みを使ったものですが。
なんであれ、スーパーコンピュータが無料で使えるんです!
これ本当にすごいことなんですよ!!
情報技術って、基本的には所有権がありません。コピペができるんです。
誰かが苦労して作り上げたものでも、コピペをすればタダで使うことが出来るんです。
ただ、ことAIに関しては、スーパー高性能PCを用意する必要があります。
コピペは誰にでもできても、スーパー高性能PCを用意できる人は限られていますよね。
そのためAIは誰にでも使える技術ではありませんでした。
しかしそれも今は昔の話。
Googleのおかげで、唯一のネックであったスーパー高性能PCが無料で使えるようになってしまったんです!!
しかもこれ、スマホから使うことすら不可能ではありません。
(ぶっちゃけ現実的ではありませんが、、)
あとはコードをコピペして実行するだけ。
AIという最先端の技術に、誰もが触れられるようになってしまいました。
そう、「知ってさえいれば」誰でもAIを使えるんです。
本当にすごい、、
「知っている」だけで、AIという強大な力を使えるようになる
個人がこれだけの技術を、初期投資ゼロで扱えるようになることの恐ろしさを感じています。
Deep Fakeだけに限っても、これだけ簡単にフェイク動画が作れてしまうんです。
最近とみに「ポスト・トゥルース時代」なんて言われていますが、本当に真実(Truth)とフェイクの境界が曖昧になっていくんでしょうね。
そしてDeepFakeに限らずAI全般に言えることですが、これからは本当に情報格差の時代になっていきます。
スマホさえ持っていれば誰でもAIを使える時代になったということは、ですよ。
画像を認識するAI、音声を認識するAI、自然言語を理解するAI、、
これら全てが、理論上は、誰でも使えるようになったということです。
そして、これらのAIという強大な力を持てるかどうかは、単純に「知っているか、知っていないか」で決まってしまいます。
つまり、情報を持つもの・持たざるものとの間の分断、情報格差が今まで以上に物を言うようになります。
そしてこの情報格差、とてもとても厄介なんです。
知っていれば簡単に初期費用ゼロで出来ることだけど、知らない人には絶対にできない。
そして、知らない人というのは、「自分にもできるのかもしれない」とも思いません。
そもそもそういう発想を持てないんです。
今回Deep Fakeを作ってみるまでの私がそうでした。
「知っている」と「知らない」との間には、とてつもない分断があります。
私自信、Deep Fake自体は知っていたし、AIの知識もあった。
それなのに、「自分も作れるかもしれない」という発想に至らなかった。
「誰でもできる」ことを知らなかった。
これ本当に恐ろしいことですよね。
発想がないので当然、調べようなんて思いません。
調べようと思わなければ、いつまでも知ることはありません。
AIの知識があっても、です。
(これは私だけでなく、大学院でAIを専攻している別の友人もそうでした。)
情報格差という大きな分断は、自分の努力だけでなんとかなるものではないんです。
それくらい、「知っている」と「知らない」の間には隔たりがあります。
ではどうすればこの分断を乗り越えられるのか。
その答えこそが、「環境」だと思うんです。
今回私がDeepFakeを作ったのも、友人とのたわいのない話がきっかけでした。
私がこの大きな分断を越えることができたのは、友人という環境のおかげだったんです。
個人的な話:情報格差を超えるために、情報が集まる環境に身を置きたい
個人的な話になりますが、私は沖縄の南の端、小さな田舎で生まれ育ちました。
そして中学ではじめて都会に出たときに、とてつもない「分断」を感じたんです。
都会の子達は、「知っている」だけで私の何歩も先を行っていました。
そして私は、それが個人の努力や資質とは関係ないことに気づきます。
彼らと私との間にあったのは、純粋に環境の違いだけでした。
当然、都会の中学に通い始めた私は、その情報格差を克服することになります。
環境のおかげで分断を乗り越えたわけです。
これが原体験にあるので、環境を整えること・情報を集めることに関しては昔からとても関心がありました。
「情報は、情報を発信するところに集まってくる」
これをモットーにして、友人が興味を持ちそうな話を見つけると積極的に共有したりしてきました。
情報発信用のツイッターアカウントを作り、このブログを書いているのも同じ理由からです。
そして、今回の出来事は、こうして今まで築いてきたものが実りつつあることの証拠となりました。
これまでも友人達から有益な情報を教えてもらってはいましたが、、
特に今回は、私が教えた情報がきっかけとなって、他の情報を連れてきてくれたわけです。
まさに、「情報を発信するところに情報が集まって」きたんですね。
(こういうとなんだか私の手柄みたいに聞こえますが、これは当然教えてくれた友人のおかげです。)
そういう意味で、今回のことはとても象徴的でした。
おわりに
とりあえず、今回は一つの分断を乗り越えて、AIを使えるようになりました。
この調子でいろんなAIを使ってみて、その模様を発信してみようと思います。
おしまい
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